FURUSATO JOURNEY故郷を探して

2020.01.26
日本民俗学の出発点・遠野で食の未来に触れる「とおの屋 要」

「とおの屋 要」、すごかったです。

家業のひとつでもあるどぶろくづくりを通じて磨き上げた発酵の技術はジャンルや食材の壁を軽々と飛び越えていて、とびきりイノベーティブであり、驚きと発見に満ちた素晴らしい食体験を生み出しています。シェフの佐々木要太郎さんはまさに新時代を牽引する料理人なのではないでしょうか。(お、同い年!)
営々と受け継がれてきた歴史や伝統を感じながら、未来につながる新しい価値を創造していく。そんなことを生業にするのなら、日本民俗学の出発点・遠野という土地はどこよりもうってつけなのかもしれないとも思いました。

1日1組限定、予約は2〜3ヶ月先まで埋まってしまうみたいなのでなかなかハードルが高いですが、食べること、発酵文化が好きな人には強くオススメします。

遠野駅のすぐ裏側、とはいえ歩いて10分くらいのところにあります。隣には「民宿とおの」が。

築300年の蔵を改装してレストランと吹き抜けの2階はラウンジにしたとのこと。古民具とかお好きだそうで、センス良いですね。

ラウンジからレストランを見下ろす。テーブルはふたつ。食事のみでの利用も可能だそうです。

テーブルにはこんな感じでドリンクのメニューが置かれています。が、ここに載っている以外にもいろいろあるそうです。いつもは最初ビールなんだけど、この日はオススメのスパークリングにさせてもらいました。

発酵した肉、ポテトサラダ。

発酵年数が異なるからすみ(2009年ものと2012年もの)と、ボラの背肉と腹肉の焼霜造り。醤油にはつけず、からすみとお造りを合わせます。久々に美味しいボラを頂きました。

この日のハイライトのひとつが自家製どぶろく。表面はブクブクしている。甘ったるくなく、スッキリ、でも芳醇。味の奥行き感がすごい。そして抑制のきいたなんとも魅惑的な香りに夢中。

お麩と発酵牛肉のタルタル。

自家製納豆をつかった一品。上に薄くスライスしてあるのは、梅干しの中にある杏仁。

そして驚きの海うなぎ。川に戻ってこずに沖で居つく珍しいウナギ。漁師のおじいちゃんが秘伝の場所で一本釣りしてるんだって。
川の臭みが出ないから薄味にしやすく、かなり美味。

塩辛。

海藻生キャラメル。

マダラ白子のスープ仕立て。

プラチナポーク。

南部釜で炊いた炊きたてご飯に、出汁醤油でさっと火を入れた牡蠣。

朝食。野菜の一品一品と、ヤマメの一夜干しが秀逸!