POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2018.10.08
2時間半の山歩きの先に待つ「奥鬼怒温泉郷 手白澤温泉」

息も絶え絶え、奥鬼怒温泉郷の一番奥「手白澤温泉」に到着。
アクセスは最寄りバス停から2時間30分のトレッキングでたどり着くしかない深山幽谷の秘湯だ。

雨中の山行はすごく久しぶりだった。
道中はいかにもうまそうな野生のキノコに目を奪われながら歩く。雨が続いてるからおおいに育ってる。イワナ釣り師たちもたくさんいた。

がんばった先には湯の花舞う極上の硫黄泉が待っている。流しまで全部ドバドバと溢れ出る温泉。なんて贅沢なご褒美だ!

明日は鬼怒沼まで行きたかったんだけど、ちょっと天候が厳しそう。
朝の様子で奥鬼怒の温泉めぐりになるかも。それはそれでよし。

恵比寿から鬼怒川温泉まで2時間30分、そこから路線バスで1時間30分。到着するのが「女夫渕温泉」バス停。ここから2時間30分のトレッキングがスタートする。この日はあいにくの雨天。

味わいのある岩盤があちこちに。時折崩れているようなのであまり近寄らないように警戒。

雨が続いていたからかキノコが大盛況。これは確か食べられないやつ。

これはナメコの仲間だったと記憶しているが、こういうのが一番危ない。美味しそうではあった。

ずっしりと鎮座する老木の根。どのくらい前にこの状態になったんだろう。生命活動は終えていると思うが、まだ彼の役割は終わっていなくて、少しずつ自分の養分を森に戻していくのだ。

いやあ、これも食べれた気がする。ツルツルして美味しそう。ダメダメ。

これは去年の須走口でたくさん見かけたやつだ。これは食べれるはず。でも、ダメ、ダメ。

1時間30分くらい進んだところ。秘湯を守る会の八丁湯、加仁湯、日光澤温泉を越えると、残るはとうとう手白澤温泉。ここからの1時間がちょっとしんどい。

なんとか乗り越え、到着。実は風邪を引いていたことが後で判明するのだけど、寒気とダルさで虫の息。気圧が下がったのもよくなかった。

モダンな山小屋といった雰囲気の施設内。天井も高く開放的だ。登山靴を脱ぎ捨て、素足で歩く。なんという開放感。一刻も早く温泉に入りたい。

脱衣所。手白澤温泉には6部屋しかなく、その割に施設は広々としている。のびのび過ごせて気持ち良い。

湯量豊富、ドバドバかけ流されるお湯。湯の花が舞い、硫黄が心地よく香る。

露天。底面にエメラルド色のタイルが敷いてあって、湯の花の乳白色と相まって湯色に絶妙な演出がかかっている。聞こえるのは、鳥と虫の鳴き声、川のせせらぎのみ。

成分はそれほど濃くない単純泉だけど、湯の花も豊富だし、パワーのあるお湯だった。

ちなみに流しはこういうスタイル。湯口から流れ出る源泉が、木臼に注がれ続ける。ここから桶でお湯を掬って利用する。なんか新しい。

夕食メニュー。いわゆる山小屋メニューではない。ワインの品揃えを頑張っていて、国産のビオに合わせるイメージで構成されている気がする。

前菜。左上は鹿肉。右上はイワナ。

イワナの丸揚げ。実は日光はイワナで有名。

こちらは和牛のロースト。こんな山奥でここまで用意してもらえるのは感激だ。人気があるのも頷ける。

朝食。

看板犬の岳(がく)。

日光澤温泉。鄙び系で強烈なファンが多いと聞く。

写真中央にほんの少し見えるのがオロオソロシの滝。オロは音、オソロシはすごい、みたいな意味らしい。遠くの滝の音がここまで聞こえてきたのだろうか。