FURUSATO JOURNEY故郷を探して

2017.07.29
ソウルフード聖地巡礼「ギョウザ萬金」

僕のソウルフード最上位のひとつに、小田急相模原にある「ギョウザ萬金の焼き餃子」というものがある。
https://r.gnavi.co.jp/7bmwd63v0000/
僕が誕生する以前から、両親が当時の同僚たちと通っていた店だ。(小学二年生まで隣の相武台に住んでいたので)
名古屋に引っ越した後もわざわざ取り寄せて家族で食べていた餃子。

ちなみにギョウザ萬金は「ホワイト餃子」の系列店。
コロンと丸みのあるフォルム、飴色に焼けた皮の雰囲気などはホワイト餃子にそっくりだ。焼くというより揚げるに近いイメージ。
萬金の方は厚みのあるモチモチの皮が特徴的。シナモンが入ってるらしく、独特の風味がある。餡は野菜メインであっさり。
皮と餡のボリューム感が同じくらいで、一般的な薄皮餃子とは明らかに異なる食べ応え。
石川家的には系列店のホワイト餃子とも味わいが少し違うと認識している。皮の違いか。

20代の頃は、実家に帰省すると必ず萬金餃子を取り寄せてもらった。
動けなくなるまで食べた。前後の食事を抜いてでも限界まで食べた。

萬金餃子の食べ方には変なこだわりがあって、
家で食べるときは、醤油皿というより少し大きめ、餃子3つ分を並べられる皿をチョイスする。
酢、醤油、ラー油、七味をたっぷり。
ニンニクもどっさり入れるが、食べてから数日間はなるべく人に会わないようにしている。
そのタレの中に、常に3つのアツアツ餃子が浸っている状態にする。焼き上がりは信じられないほど熱い。
皮の脇のあたりを少し破って、タレが中に染み込むようにしてから、浸して冷ましつつスタンバイさせておくのだ。
適度に冷めた順にひとつずつ食べていく。そしてひとつ食べては、ひとつを補充する。
常に程よく冷め、タレが染み込んだ餃子が間隙なく食べ続けられるわけだ。
そんなに急いで食べる意味がどこにあるのかと聞かれればないのだが、好きだからとしか言いようがない。
この常に餃子3つで構える布陣を「餃子三連撃(ギョウザストリームアタック)」と呼んでいる。これから呼ぶことにした。
(ちなみにホワイト餃子でも応用可能)

今回は、予てから続けていたダイエットの達成記念として、小田急相模原にある本店へ。
(10Kg減ったけど、2名を除いてほぼ誰にも気づいてもらえていない)

小田急相模原の駅を降りて、メイト商店会まで徒歩5分。
昔はクルマで来ていたから、徒歩で行くのは多分初めてだ。
メイト商店会の入り口からお店を目にした時、なんとも言えない懐かしい気持ちになった。
30年ぶりくらいに眺める景色。よく覚えてるもんだなあ。
店舗は改装したようで、昔は店舗の奥でおばさんたちが世間話をしながら餃子を包んでいたけど、どうやら厨房の奥へ移動したらしい。

オーダーしたのは嫁さんと合わせて餃子30個。あとバンバンジーサラダ。
気持ちの高ぶり具合から言うと40個くらいいけそうな気がしたが、止められました。
ライスとスープはなし。餃子に始まり餃子に終わる。
そして焼き餃子は10個で460円。安いよなあ。

すぐに熱々の餃子がテーブルに並ぶ。
逸る気持ちを抑えてタレをこしらえる。ニンニクを入れながら「ニンニク入れていい?よね?」と許可をとる。
餃子を掴み、脇腹のあたりに穴を開け、取り皿に3つを並べる。(あまり美しくないので写真は割愛)
箸で上から押さえつけ、適度にタレを染み込ませてから半分を頬張る。



うまい。うまいうまい。



息継ぎをするのも忘れて、無我夢中。
20個なんてあっという間だ。

また何かのご褒美に。

駅前の商店街を抜けて、角を曲がるとこの風景が広がる。商店会のゲートと「萬金」の看板を見た瞬間に懐かしさがこみ上げる。

12時を過ぎるとひっきりなしに来客が。あっという間に行列ができてしまった。冷凍餃子の持ち帰りのお客さんも何組かいた。

店内は改装したらしく、明るく清潔な空間に。オーダーが許されるのは最初の一回きり。ストイックに餃子を食べる空間だ。

タレには酢、ラー油、醤油、七味、ニンニクを。餃子3つをたっぷり浸せる量を作る。

この美しい焼き上がり。お店で食べるのは約30年ぶりのはずだ。
20個もあっという間に食べてしまった。うまかった。

これが「餃子三連撃(ギョウザストリームアタック)」だ。見た目に美しくないことは詫びるしかない。

取り寄せると自宅で焼くことになる。熱した油に餃子を沈めて、少ししたら熱湯を足す。独特な作り方で熟練を要する。