POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2018.04.03
藤森建築の特別空間 長湯温泉「ラムネ温泉館」

すばらしい温泉体験をした。

場所は大分からクルマで1時間、山あいの農村・竹田にある長湯温泉「ラムネ温泉館」。

建築は藤森照信さんで、有機的かつチャーミングな建築が集落で絶妙な存在感を発揮。フロントではアーティスティックな現代音楽がささやかに鳴り響く。さながら美術館のような雰囲気だ。千倉の海岸美術館とか、ちょっと近い雰囲気かもしれない。

ラムネ温泉は日本最高峰、驚異の炭酸ガス含有量1,380PPMの炭酸泉。
飲んでみたらちょうど微発泡日本酒くらいのシュワシュワ感。源泉温度は32℃。このくらいの泉温でないと炭酸ガスが抜けてしまうので、炭酸泉は基本ぬる湯だ。長く入っていられるから成分もよく身体に浸透するし、副交感神経が刺激されてリラックス効果も高い。特に鬱っ気のある人にはこのくらいのぬる湯にぜひ浸かってみてほしい。

お湯に入ると一瞬で身体中に泡がまとわりつく。と同時に、身体全体がじんわり熱くなってくる。
これは脳が血中に入り込んだ炭酸ガスを怪我と勘違いして血流を促進させる生理現象。炭酸泉が新陳代謝アップやデトックス、肌の再生とかに効果大なのはこれによるもの。じわじわと何かが身体に入って、ナニかが出ていく。

露天風呂の様子はというと、空は大きく開かれ解放的、いっぱいの緑に囲まれている。湯船の上には大きな日よけのタープがゆったりと波打つ。
その下で、アゴまで浸かって微動だにせず瞑想している男たち。湯沢の貝掛温泉、栃尾又温泉と同じ光景だ。
平均は40分くらいの入浴時間か。だいぶ成分が濃い(バブ13個分)ので1時間以上は湯あたりするかもしれない。

最近はトシのせいなのか身体のあちこちに慢性的な痛みやダルさがあって哀しいのだが、そういう箇所が特にじんわり熱くなっている。温泉から上がった今もまだ熱を持っている。これは何らか作用しているに違いない…。

日本一のおんせん県・おおいた、本当におそるべし。

ファサード。ラムネ温泉のサインイラストがかわいらしい。藤森建築の存在感がすごい。

現代音楽が鳴るエントランス。ちょっと美術館ぽい雰囲気が面白い。

左に見える銅像は背広を着たイヌだった。

風が吹くとざわざわと音が鳴る。どこにいるのかわからなくなってくる。

飲泉所。杓子で口に含むと、穏やかな炭酸が。炭酸なのに鉄っぽさと塩気があるのが不思議な感じだ。

衝撃の炭素ガス含有量1380PPM。世界でも珍しい濃度の源泉掛け流し、しかも足下湧出の炭酸泉。