POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2018.06.10
伊豆白浜のデザイナー民宿「勝五郎」

乃村に同期入社だった土屋氏が伊豆・下田にUターンして、祖父母から継承した民宿をリニューアルオープン。同郷(こっちは熱海だけど)ということもあって興味津々、すぐ泊まらせてもらってきた。
http://katsugoro.com
(彼のスケッチと民宿の写真がとても素敵なサイト)

クルマで進んでいいのか躊躇う極細の坂道を登りきったところで民宿『勝五郎』が見えてくる。顔立ちからして、いわゆる民宿のそれではない。漆黒の躯体と明るい木枠のコントラストがスタイリッシュ。屋根上にちょこんと座る温泉マークのタンクもかわいらしい。道路から離れているので、高台ながら白浜海岸の波音が響いてくる。

民宿的アットホームさはそのままに、オープンでナチュラル、ゆったりとした世界観。古い建物のリノベーションだけど、明るく清潔感に溢れた内装は空間デザイナーらしく行き届いた配慮で素晴らしいと思う。
元は畳敷きの宴会場だったという場所も、抜け感が気持ちいいコミュニティスペースに変身。みんなが自然と集まってくるような求心性のある空間になっている。プロジェクターとか大テーブルもあるので、企業の研修やワークショップなどアイディア次第でいろいろ活用できそうだ。温泉上がりに立ち寄って、ビールを開けてオーナーや宿泊者と乾杯するのも民宿ならではの楽しい過ごし方。

温泉もフレッシュでよい。3組限定ということもあっていつ入っても新鮮。単純温泉で刺激は抑えめながら溶存物質が約900mg/kgあるので浴用効果は高そうだ。ぬるめの湯にじっくり浸かって成分を身体に受けとりたい。特に敏感肌の母は大変気に入ったようすだった。

ちなみにこの日の夕食は勝五郎からタクシーで5分、地元で評判という地魚料理×中華料理の『上の山亭』へ。解禁直後の特大トコブシ、地物の尾長鯛、青鯛、キントキ、地キンメが登場。予想を上回るクオリティで、しかもリーズナブル。勝五郎〜上の山亭はゴールデンコースとしてオススメ。

ともあれ、オープンしてまだ4日!勝五郎には無限の可能性が広がっていた。庭先のファーム、コミュニティスペースも、キッチンも、ふたつの空き部屋も、これからどんな風に使われていくんだろう。
宿泊業はメチャクチャ大変だと思うけど、土屋夫妻の屈託無くワクワク感に満ちたオーラに触れていると、最高のホビーにもなり得るよなあと思った。

ワークとライフはインテグレートさせてこそ。
これからの暮らしかたや働きかた、地域との繋がりかた、自分らしさみたいなことに興味がある人は、訪れてみるといい刺激があるかもしれない。

白浜は民宿発祥の地なんですって!知らなかった。土屋さんがたくさんいらっしゃるみたい。

勝五郎に到着。細い道を間違えたかなーと思うくらいに進んだ先に見えてきます。

旧い建物なんだけど、うまくリノベーションしています。ガーデン側を向いたソファ。

1階のオープンリビング。さすが、今っぽいですねえ。映画館紹介とか、ワークショップとか、企画展とか、何でもできそう。

お部屋はこんな感じ。これで4人部屋かな。

ところどころ、こだわりが見え隠れ。ドアノブが球体。

水周りも清潔感大事。ここだけ切り取ったら民宿とはあまり思えない。

庭からは白浜が見下ろせる。歩いて3分くらいで海までいけるのかな?

畑ではナスと、まだ緑色のトマトがぶら下がっていた。楽しそう。

夕食を食べた「上の山亭」。裸では入らないでくださいって。笑

アオダイ、オナガダイ、キンメ、イサキなど。どれも地物で鮮度・処理良し。素晴らしい。

餃子。これが忘れられないくらいうまかった。また食べたい。

地物のトコブシ。解禁したばかりで、普通では考えられないサイズ。あの季節に行けば、食べれるんだな。勉強になった。

磯玉。磯で取れる小さい貝類をまとめて煮たもの。シッタカかな。

夜の勝五郎。照明がいい感じ。

自家源泉のお風呂。これがさっぱりといい湯だった。

早朝に下田漁港へ。ちょうどキンメダイの水揚げをしていた。ラッキー。

圧巻の光景。こんなに大きいのがこんなに揚がってるのか。これでも普通より少し少ないくらいとのこと。

まるまる太った美味しそうなジキンメ…

港の風景。仕事を終えた漁師たちの休憩所だろうか。

キンメの頭を干したものが安価で売られていた。煮ても焼いてもうまいだろう。

最後に下田の街を散策。旧い蔵造りがちらほら残っている。

古民家でお茶をする。観光客と地元の人が混在している。