乃村に同期入社だった土屋氏が伊豆・下田にUターンして、祖父母から継承した民宿をリニューアルオープン。同郷(こっちは熱海だけど)ということもあって興味津々、すぐ泊まらせてもらってきた。
http://katsugoro.com
(彼のスケッチと民宿の写真がとても素敵なサイト)
クルマで進んでいいのか躊躇う極細の坂道を登りきったところで民宿『勝五郎』が見えてくる。顔立ちからして、いわゆる民宿のそれではない。漆黒の躯体と明るい木枠のコントラストがスタイリッシュ。屋根上にちょこんと座る温泉マークのタンクもかわいらしい。道路から離れているので、高台ながら白浜海岸の波音が響いてくる。
民宿的アットホームさはそのままに、オープンでナチュラル、ゆったりとした世界観。古い建物のリノベーションだけど、明るく清潔感に溢れた内装は空間デザイナーらしく行き届いた配慮で素晴らしいと思う。
元は畳敷きの宴会場だったという場所も、抜け感が気持ちいいコミュニティスペースに変身。みんなが自然と集まってくるような求心性のある空間になっている。プロジェクターとか大テーブルもあるので、企業の研修やワークショップなどアイディア次第でいろいろ活用できそうだ。温泉上がりに立ち寄って、ビールを開けてオーナーや宿泊者と乾杯するのも民宿ならではの楽しい過ごし方。
温泉もフレッシュでよい。3組限定ということもあっていつ入っても新鮮。単純温泉で刺激は抑えめながら溶存物質が約900mg/kgあるので浴用効果は高そうだ。ぬるめの湯にじっくり浸かって成分を身体に受けとりたい。特に敏感肌の母は大変気に入ったようすだった。
ちなみにこの日の夕食は勝五郎からタクシーで5分、地元で評判という地魚料理×中華料理の『上の山亭』へ。解禁直後の特大トコブシ、地物の尾長鯛、青鯛、キントキ、地キンメが登場。予想を上回るクオリティで、しかもリーズナブル。勝五郎〜上の山亭はゴールデンコースとしてオススメ。
ともあれ、オープンしてまだ4日!勝五郎には無限の可能性が広がっていた。庭先のファーム、コミュニティスペースも、キッチンも、ふたつの空き部屋も、これからどんな風に使われていくんだろう。
宿泊業はメチャクチャ大変だと思うけど、土屋夫妻の屈託無くワクワク感に満ちたオーラに触れていると、最高のホビーにもなり得るよなあと思った。
ワークとライフはインテグレートさせてこそ。
これからの暮らしかたや働きかた、地域との繋がりかた、自分らしさみたいなことに興味がある人は、訪れてみるといい刺激があるかもしれない。