豊岡から2時間半、京都経由で大津へ向かった。
京都から大津まではJRで9分、あっという間に琵琶湖のほとりだ。この近さ、僕もそうだったけど意外と気づいてない人も多いんじゃないだろうか。
大津百町は東海道五十三次で五十三番目の宿場町で、終着地の京都を目の前にかつては大層賑わったという。少しずつ保存改修が進められてきたという町家が並ぶ旧東海道は、電線も地中化され歩いていて気持ち良い。マンションは通りから10mくらいセットバック、ファサード側をエントランスと集会所を兼ねた町家にして顔立ちを揃えていた。いろんな工夫の形跡が見えて気持ちがいい。
町家を改修した商店街ホテル「講 大津百町」は安定の自遊人クオリティ。エリア内にいくつかの町家を改装していて、食事は基本的に百町にある商店で…というディスパーストスタイルだ。
泊まったのは「茶屋」という町家の一階。コンパクトだけどアメニティに不足はないし、安心できる空気感と清潔感。共用部に飾ってあった地元ご出身の写真家・吉田信介さんの作品がかなり好みで、たぶん次に来たら買ってしまうと思う。
夕食を頂いた自然坊たなかは京都・草喰なかひがしの流れを汲む月替わりのお料理で、こちらも素材の扱いに発見が多く大変に楽しい体験。月ごとにおまかせコースの内容が変化していくそうだ。
カウンターのとなりには大津百町で生まれ育った常連さん。琵琶湖の歴史、商店街の世間話などいろんな話を聞かせて頂いた。ずっと昔から、大津は日本中から人と物が集まる一大都市だったと。
ざわざわする京都から少し離れて、大津に泊まってみるのもなかなか面白い。
発見がたくさん。