POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2018.09.03
極上の地球のスープ・伊豆松崎「桜田温泉 山芳園」(再訪)

西伊豆・松崎町、100%源泉脈かけ流しの「桜田温泉 山芳園」。ナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉。湧出量は毎分550L。

コンセプトは「加水しない、空気に触れさせない、圧力を抜かない」。
70℃以上の高温泉だけど、熱交換の原理を用いたご主人独創の装置が活躍。源泉から一切空気に触れさせないまま適温で浴槽へ満たされている。浴槽の底からお湯を入れ、可能な限り空気に触れさせないというこだわりよう。まるで羊水のように高い還元状態にある極上湯だ。

内湯の檜風呂は40℃くらいと38℃くらいの2つの浴槽がある。
ぴーんと静まり澄んだ湯面の一番風呂の浴槽へ、なるべく波立たせないように、そっと身体を滑り込ませる。ずんぶりと沈まり目を閉じる。じわじわと温泉の熱が沁み渡ってくる。

表現が難しいが、フワフワした感触のお湯。肌触りがふんわり柔らかくて、部活上がりにやっとシャワーを浴びたあとで薄い羽毛ぶとんに埋もれたような、ごく薄いやさしい膜に包み込まれているような浴感。大地の底から地上へ出てきたばかりの鉱物らしい香りも心地いい。
今まで混浴だった大露天は貸切スタイルに。こちらも湯量豊富でフレッシュなお湯。浸かっていると肌がシャキッとしてくる。この風呂を独り占めするのはなんとも贅沢だ。

温泉もまたタイムトラベル。
これは気が遠くなるほどの時間をかけてつくられた地球のスープ。
神さまありがとうございます。

内湯の湯船。奥はぬる湯、手前は熱湯。ちょろちょろとお湯がかけ流されている。

この透明度を見て欲しい。一番風呂なのもあるが、この日宿泊していた男性は全部で3名。一人あたりの湯量がいったいどれほどのものか。トン単位である。

温泉好きにはヨダレが出る光景。感涙。

中央にある塔の下部からお湯が注ぎ込まれている。空気に触れないため酸化しない。大地から湧き出たままの状態で湯船に溜まるのだ。

天井が高く開放的。込み合うことも滅多にない。独り占めの贅沢。

ご主人の発明作品。

こちら、露天。ここも独り占め。湯量は何トンあるのだろうか。。

宿の向かいにある田んぼはカルガモ農法。生後4ヶ月程度、しかしまるまると大きくなったカモがひしめき合っていた。