島根県で唯一の「日本秘湯を守る会」会員宿です。
場所は出雲空港から車で1時間弱、宍道湖の南へ向かって雲南市の山合いにあります。
「海潮」と書いて、「うしお」と読みます。
豊かな緑と豪壮な岩に囲まれた露天風呂の風情が本で見かけて気になっていました。
ここも古来から、近くの農民や旅人の疲れを癒す温泉だったようです。
温泉成分はナトリウム、カルシウム、硫酸が多く、やはり松江〜宍道湖周辺と同じく美肌系の単純温泉。
塩分が効いていて、湯上りには汗がなかなか止まりません。それも気持ちいいものですが。
浴槽は露天風呂と内湯(繋がっている)が男女各1、この他に家族風呂が一つあります。
露天風呂はイメージしていたよりも広々として、お湯も汚れておらず綺麗。
泉温は41度くらいか。ちょうど良い湯加減で長く入っていられる。時折岩の上に腰かけ、風に吹かれて体を休めるのも気持ちいい。
頭上を取り囲むように茂る樹々には鳥たちが遊びにきて、いろんなさえずりを聞かせてくれます。
いやあ、これは気持ちいいなあ。桃源郷的だ。
夕餉は囲炉裏の部屋にて。
華美ではありませんが、真面目で素朴、地物の食材を活かした料理たち。
印象的だったのは小鮎揚げ、マダイとカンパチ刺身、アンコウ鍋。栗の甘露煮も美味しかった。
お酒は七冠馬の純米。辛口。
あと、囲炉裏の上に吊るされた自在鉤がそれぞれ違う魚になっていて、いちいち気を取られました。笑
宿の建物は緑しげる庭が取り囲んでいて、樹々の合間は細い小川が巡っています。
どこにいても川のせせらぎ、鳥のさえずりが聞こえる。
この日は合計3組の宿泊客。他のお客さんとすれ違うことも少なく、かなりの秘湯感が気に入りました。
島根に来ることがあったらまたぜひ寄ってみたいと思います。