FURUSATO JOURNEY故郷を探して

2019.05.24
深い深い夜の底「伊根の舟屋群」

海の京都、伊根の舟屋。
そこにあるのは知っているけど、なかなか行けない場所でもある。
舟屋は伊根湾に面して立ち並ぶ特徴的な木造建築群のことで、1階部分が船着場、2階部分が舟道具の倉庫になっている。これがなんとも言えない郷愁感というか、風情あふれる風景なのだ。

この場所にたどり着くまでの道も細く、宿泊施設も数えるほどしかないため、あまりたくさんの人が訪れることができる場所ではない。舟屋に宿泊できるようになったのもここ数年のこと、とも聞いた。普段僕たちが住んでいる都市とは明らかに違う時間の流れ方をしている場所だ。

お世話になったのは「舟屋まるいち」。
まだリノベーションしたばかりで、モダンで清潔感あふれる内装。
2階の窓からは伊根湾を眺められる。ちょうど夕方、夕陽を浴びて釣り船が戻ってきた。
釣り客たちがすべての魚を持ち帰らないことを知っているカモメたちは大群になって船を追いかけている。
カモメたちもまた舟屋の住人。


深夜、船着場に降りてみた。
深い深い森の中にいるようだった。ぴーーーーーーーーんと、静まり返っている。
湾は不気味なくらい穏やかで波音がしないし、車が走る公道もずっと遠くにしかない。
上を見上げると、息を呑むような満天の星空があった。

舟屋の宿は基本的に一日1組限定。食事は外にするか、宿に出してもらうか。今回は外で食べたけど、後者がオススメだと思います。陽が沈んでいく様子を見ながら伊根湾の海鮮を楽しむのが一番な気がする。

1階部分は船着場、2階は主に船道具の倉庫。同じような建築が並んで独特の景観を作っている。

舟屋の1階から船着場を眺める。1階はリビングのような空間になっていた。大人数で食事をするときにはこちらかな。

2階の様子。奥の窓からは伊根湾が見渡せる。

2階からの風景。ちょうど夕焼けどきで、舟屋群に光があたって感動的な光景だった。

漁師道具をディスプレイに。

帰ってきた釣り船。伊根湾はブリやマグロが有名。ハタやメバルなども釣れていた様子。

夜はひっそりと静まりかえる。

夜は照明効果で独特な雰囲気になった。さざなみの中にいるみたいでけっこう素敵かもしれない。

吊り下げ照明。