POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2018.10.18
指宿の地熱を身体に受け取る「砂むし会館砂楽」

指宿といえば!の砂むし風呂を体験。
地熱で温まった砂が身体の上に乗せられると(約30kg)、圧力に抗って血を全身に送り出すため途端に心臓が激しく収縮を始める。15分くらい、じっくり汗をかきながら待つ。全身でドクドクとした血流を感じる不思議な感覚。

入浴前と入浴後に採血した血液を比べると、入浴前のどす黒い血が鮮やかな赤色になるという医学的な検証もされているとか。
さっきまで橋牟礼川遺跡の考古博物館にいたので古墳に埋められた人柱みたいな気分になった。

砂むし会館の内湯になかなかすてきな文が掲げられてたので以下にメモ。
旅人の手記をもとに書かれたものだそうです。
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日本の良き風習・習慣を大切に

戦後の日本は、古き良き風習をことごとく葬ってきました。
今や銭湯・湯治の習慣や形態までが変わりつつあります。

見知らぬ者同士が、ざんぶりと同じ湯に入る爽快感はなかなかのもので、一緒の湯に浸かっている者は、社長だろうが凶悪犯だろうがみんな対等で、心と体の疲れを癒し、元気を取り戻す目的は同じである。
湯の中では、みな善人となる。湯が心にも温かさを伝え、優しさと勇気を引き出してくれるからだ。大自然の子となりながら、温泉に入らなければ何の意味もない。

今までの嫌なことを全て忘れ去り、生きていることだけをひしひしと感じながら、とろとろとした温度感に、身を浸していれば、おかげさまで、おかげさまでと喜びが、ふつふつと湧いてくる。
これ以上の楽しみはなく、この極上の時間こそが人間を蘇らせてくれる。

後から入ってくる者の為に、自分の使った湯桶のあかを落とし、逆さに返せば、次の人もまた返す。これこそが人間の心ではないだろうか。