POWER OF SPRING温泉力をもらいに

2015.02.22
秋田県・強首温泉 傱峰苑

ここ二日間は秋田の強首温泉・傱峰苑(こわくびおんせん・しょうほうえん)に滞在していました

青森ほどではないですが、この地もまだ雪深く
秋田駅から少し鉄道で離れれば、しんと静まり返る集落の風景ばかりになっていきます

「日本秘湯を守る会」という団体があって
日本全国の秘湯宿がお互いに経営ノウハウや人脈を共有し支え合いながら
秘湯文化を次の時代に残そうと頑張ってくださってます
僕は地方へ用事があるときには
まずこちらの会員宿を探すようにしているのです
どこへ伺っても素晴らしい宿ばかり

こちらの傱峰苑さんも会員宿です
この集落一帯を治めていた豪農の邸宅(建てられたのは100年近く前)をそのまま利用したもので
その末裔のご家族が経営されています
建築も、内部に展示してあるいろいろなものも
すべて有形文化財になっています

自分以外のすべてが圧倒的な存在感で
そして古いだけではなくあちこち手入れは行き届いていて

秘湯宿って基本的にはいろいろ不便なものですが
それを感じさせないよう、さまざま尽くしてくださるのがまたうれしいものなのです

到着するなり、目当ての黄土色の掛け流し温泉へ
口に含むと鉄っぽい、そして強烈な塩味が…
強烈に濃厚です これはすごい くらくらする
からだじゅうにオレンジ色がくっつきます

そしてもうひとつの目当て「川蟹料理」
裏の川で獲れるモクズガニです
蟹味噌、姿揚げ、つみれ、茶碗蒸し…
相変わらず酒が進むものばかり 蟹味噌はやばい


帰り際に女将さんといろいろお話をしました

旧きよきもの、素晴らしい伝統を残していくには
人々に求められ続けることが絶対に必要なんです、そのためには私たち自身が学び、変わり続けなければいけません、って

旧いものをそのまま出してはダメなんです、建物も傷んでいくし、味付けの好みも、感動のものさしも時代とともにどんどん変わっていきます

お客様によってはなんで新しくしちゃったの、あの旧いのがよかったのにってお叱りを受けます
つらいことですが、しかしそれではわたしたちはやっていけません

変えるべきか、変えざるべきか、必死で自問自答を繰り返しながら
それぞれにどこかで折り合いをつけて
秘湯宿はみなさんなんとかやってるのです

サワガニ味噌甲羅焼き。濃厚な旨味と味噌が絡まって鼻血が出そうなうまさ。

日本秘湯を守る会の会員宿。おなじみの提灯が。

こちらの強い鉄分を感じる茶褐色の濃厚なお湯。浴槽に浸かったあとはお尻が真っ黒に。

入り口に入ったところ。内部空間はゆったり。天井の高さが心地よい。

サワガニ素揚げ。パリパリとまるごといただく。

もともとは雪国の豪農だった方の邸宅。豪壮なつくりが歴史を感じさせる。

郷土料理の貝焼き鍋。もとはホタテの貝の上で味噌を溶きながら焼いたらしい。

エントランス。くぐるのにちょっと緊張する。