南房総に通うようになって15年くらいが経つ。
しかし後になって両親から聞かされた話では、かつて僕の1歳の誕生日にちょうど千倉の保養施設に旅行に来ていて、その日初めて自分の脚だけで歩いたらしい。
今も縁を持たせてもらってるのはとても不思議で、掛け値なくスペシャルな場所だと思う。
千倉には「大人」が集まっている。オノナツメの漫画に出てくるような大人が。
惜しまれ閉館した海岸美術館・浅井慎平さんからの流れだろうか。
海のようにおおらかで、やさしくて、きびしい。
ゆっくりと時間をかけて、自然と人生を見つめながら熟成されてきた何か…
こんな歳の取り方をしたい。千倉に来るたびそんなことを思うのだ。
一年後の同じころ、またイソラベッラの宿泊を予約して帰途についた。