新潟出張で久しぶりに里山十帖へ行きました。
ひっそりと静まり返った越後湯沢駅で乗り換え、大沢駅へ。
梅雨真っ只中の大沢は濃密な緑の香りに満ちていました。ずいぶん遠ざかっていた気がする全身が喜ぶ香り。
温泉も数ヶ月ぶりでした。
雄大な越後山脈を望み、森の香りとヒグラシの声に包まれながら露天にざぶんと浸かったあの瞬間。温泉が全身に沁み渡っていくような感覚に、感動がオーバーフローするというか何も考えられなくなって、しばし目を開けることができませんでした。この日はなぜか涙もろく再び目の奥が熱くなりました。
あの時の魂が解放されたような感覚はたぶん一生忘れないと思います。
後日ミシュランガイド1つ星を獲得することになるダイニング。
旬真っ盛りの生命力に満ちた夏野菜、そこらの庭や山に生えているハーブ、地物の鮎やアマダイ、そしてメインディッシュは炊き立ての魚沼のお米。冬季には出会えない、でも確かにあの雪解け水が育てた、この時期だけの北国の食材。生産者、シェフ、食べ手それぞれの距離・時間・想いにギャップがほとんど存在しないこと。そこにとびきりの美味しさを感じます。
シーズンは終わり際でしたが、夜には近くの田んぼでゲンジボタルを見ることができました。これも久しぶりだったかな。あの淡くはかない光はなんとも心に沁みるものがあります。