FOOD FOR CREATIVE頭を遊ばせる時間

2020.03.20
あんこう料理ここに極まれり…北茨城の「無水どぶ汁」

北茨城の超絶あんこう料理、『無水どぶ汁』を知っているだろうか。

土鍋でまずはあん肝を炒り、その後味噌と酒粕を加え、わずかに焦げ目をつけながら火を通していく。その後ゼラチン質たっぷりなあんこうの身(ヒレ、エラ、皮なども一緒に)を加えて炒め、最後に野菜を加える。あとは数分煮込んで完成。この間加水は一切なし。

あんこうの身と野菜から出る水分だけでつくるとんでもなく濃厚な鍋料理。普段食べる鍋とは完全に別物です。海上で水が使えなかった漁師が大根と味噌だけ持って船に乗ってつくっていたのがルーツという。これぞ大発明。
最後は言うまでもなく雑炊。気絶。

…と、そんな感じの38歳初日でした。メッセージくださったみなさんありがとうございました!

北茨城は大津港駅駅前、「食彩 太信」という老舗割烹。ここらへんに行ったことがある人ってどのくらいいるんだろう。いちおう、品川から特急で一本です。大洗水族館といわきのアクアマリンふくしまリサーチの途中で立ち寄り。

メニューににじみ出る自信。あんこう一本揚げも気になったが確実に食べきれないので断念。

最初に地魚のお造り盛り合わせが出てくる。すべて地元の大津港で水揚げされたもの。右下にあるのはあんこうの刺身!初めてだったけど、水っぽさもなく、柔らかいフグって感じで美味しかった。

さて、どぶ汁スタート。

ご主人がつきっきりで調理してくれます。まずはあん肝を少し焦げ目がついてくるくらいまで煎っていく。「無水」の名の通り、最初から最後まで一切水分は加えません!あんこうの身と、野菜から出る水分だけ。

お喋りしながら作ってくれます。東京からもたくさんお客さんくるらしい。

次に身や皮、内臓を入れていきます。えらやひれ、腸とかも含めて「あんこうの七つ道具」ともいわれます。

野菜を加えてしばらくすると水分が出てきて、鍋っぽい雰囲気になってきます。とてつもない濃厚さ!美味くて濃くて鼻血が出そうでした。

最後の締めは雑炊。これまた絶品。